訪問看護における介護保険請求の「看護体制強化加算」についてご紹介します。
訪問看護ステーションを運営する中で、請求・加算内容についてしっかり把握して、適切
運営を行うことが重要です。しっかりとチェックしておきましょう。
目次
看護体制強化加算とは?
介護保険における看護体制強化加算とは、医療ニーズの高い利用者への訪問看護体制を強化する観点と訪問看護の機能強化を図る観点から、緊急時訪問看護加算、特別管理加算、ターミナルケア加算について一定割合以上の実績等がある事業所を評価する加算として、平成27年度の介護報酬改定にて新設され、令和3年度に改定が行われています。
看護体制強化加算の単位数
加算の種類 | 単位数 |
看護体制強化加算(Ⅰ) | 550単位/月 |
看護体制強化加算(Ⅱ) | 200単位/月 |
介護予防訪問看護における看護体制強化加算 | 100単位/月 |
看護体制強化加算の算定要件
以下の基準に適合しているとして都道府県知事に届け出た場合に、月1回加算できます。1~4は(Ⅰ)、(Ⅱ)、介護予防共通となります。
算定日が属する月の前6月間において、利用者の総数のうち、緊急時訪問看護加算を算定した利用者の割合が50%以上であること
算定日が属する月の前6月間において、利用者の総数のうち、特別管理加算を算定した利用者の割合が20%以上であること
指定訪問看護ステーションの場合、従業者の総数のうち看護職員の占める割合が60%以上であること
医療機関と連携のもと、看護職員の出向や研修派遣などの相互人材交流を通じて在宅療法支援能力の向上を支援し、地域の訪問看護人材の確保・育成に寄与する取り組みを実施していることが望ましい
算定日が属する月の前12月間において、ターミナルケア加算を算定した利用者が「5人以上」であること
看護体制強化加算の留意点
実利用者総数は、前6カ月間において2回以上訪問看護を利用または加算算定した場合も(Ⅰ)と数える
要介護者に対する加算の場合、(Ⅰ)または(Ⅱ)いずれか一方を届け出ること(利用者ごとの選択は不可)
加算の算定に当たっては、看護師等が加算の内容について利用者・家族に説明して同意を得る
看護体制強化加算のQ&A
看護体制強化加算の要件として、「医療機関と連携のもと、看護職員の出向や研修派遣などの相互人材交流を通じて在宅療養支援能力の向上を支援し、地域の訪問看護人材の確保・育成に寄与する取り組みを実施していることが望ましい。」ことが示されたが、具体的にはどのような取組が含まれるのか。
当該要件の主旨は、看護体制強化加算の届出事業所においては、地域の訪問看護人材の確保・育成に寄与する取り組みが期待されるものとして示されたものであり、例えば、訪問看護ステーション及び医療機関の訪問看護事業所間において相互の研修や実習等の受入、地域の医療・介護人材育成のための取組等、地域の実情に応じた積極的な取組が含まれるものである。
留意事項通知における「前6月間において、当該事業所が提供する訪問看護を2回以上利用した者又は当該事業所で当該加算を2回以上算定した者であっても、1として数えること」とは、例えば、1~6月にかけて継続して利用している利用者Aは1人、1月に利用が終了した利用者Bも1人と数えるということで良いか。
1つの訪問看護事業所で看護体制強化加算(Ⅰ)及び(Ⅱ)を同時に届出することはできないが、例えば、加算(Ⅱ)を届出している事業所が、加算(Ⅰ)を新たに取る場合には、変更届けの提出が必要ということでよいか。
看護体制強化加算に係る経過措置について、令和5年4月1日以後に「看護職員の離職等」により基準に適合しなくなった場合の経過措置で、看護職員の採用に関する計画について具体的な様式は定められているのか。
看護体制強化加算に係る経過措置について、令和5年4月1日以後に「看護職員の離職等」により基準に適合しなくなった場合の経過措置が示されているが、看護職員の離職以外にどのようなものが含まれるのか。
看護体制強化加算のまとめ
今回は介護保険の看護体制強化加算について解説しました。作成時点の最新資料・情報を基に作成していますが、具体的な解釈や申請等については、その都度、最新情報をご確認いただき、自治体等へ申請・お問い合わせいただきますようお願い致します。
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